INTERVIEW

ホライズン山下宅配便

ホライズン山下宅配便、ニューアルバム『りぼん』発売に際して、Quip magazineにてインタビューを敢行した。当初は1時間ほどの取材予定だったが、黒岡まさひろ氏の「ケツ決めないでやりましょう!」の言葉に、怖いもの見たさでついついOKし、結局2時間40分に亘る超ロングインタビューに。ベタ起こしで約27000字のところを雑誌掲載では約8500字まで編集したが、溢れたエピソードがもったいない! ということで、雑誌掲載分とほぼかぶりなし、あんまりためにならない、特にオチもなく、編集もあまりしない、生に近いやりとりを話題毎にピックアップした、インタビュー・アウトテイクを特別公開! (TEXT:タカクワユキコ)

ホライズン山下宅配便 インタビュー掲載!
Quip magazine 68号
5/25 タワーレコード新宿・渋谷店店着予定 5/28~全国タワーレコード他取り扱い店にて順次発売予定。 http://www.quipmagazine.com/
通販 7net shopping(新刊の入荷は1~2週間ほど発売日より遅れます)
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バンド名の由来(再現)
●バンド名の由来についてお聞きしたいんですが。
黒:電話してもらっていいですか?
伴:はい。じゃあかけますか。(携帯で電話をかける)
黒:元々はライダーキックっていうバンドを組んでまして、ちょうど…(電話が鳴る)ちょっと待ってくださいね。「……はい!ホライズン山下宅急便です。」これで決まりました。(※2004年に宅急便から宅配便に改名)
●??
伴:電話が来る時に、適当な架空の名前で出る、っていうのが日常でして、その中の一環として、ホライズン山下宅急便というのが黒岡から出てきて、それをそのまま採用してしまいました。
黒:でも、ライダーキックから急にホライズン山下宅急便ってなると、皆違和感があると思って、変遷を考えたんですよね。ライダーキックから、ちょっとずつ語尾が変わっていって……っていう途中の段階を考えたんです。覚えてる?
伴:モアイ像坂下哺乳瓶とかだ(笑)。
●(どこが途中の段階?!)……なるほど(笑)電話口で突発的に命名したんですね。
黒:今だったらどんな名前付ける?
伴:電話しましょうか。…あ、電波が悪くて無理だな。
アルバムタイトルについて「山下四銃士はりぼんを結んだ。」
●アルバムのタイトルが『りぼん』ですけど、これはどういった理由で?
黒:どこのパーキングエリアで決めたかね。
伴:レコーディングから帰って来る時の、あらゆるパーキングエリアでずーっとアルバムのタイトルのことを話し合って。
●(笑)
黒:これいつ決まったんだっけ。
倉:7月の時点で決まってた。
黒:7月だっけ。
伴:早いね(笑)。
●この時はアルバムの収録曲は全部決まってたんですね。
伴:ベーシックは大体7月に録り終わってたので。『騎士』『岸』とかは後で録りましたけど。なんとなくアルバムの全体像は見えてたので、ベーシックを録った熱のある段階でタイトルを決めたんですね。連想ゲームみたいな感じで。曲の群れからどういうタイトルを導き出すか。
黒:なんで『りぼん』になったか覚えてる?
倉:いや、あんまり。そんなに理由がなかった気がするんですよ。
伴:でも、何個かボツ案あったでしょ。覚えてない?
倉:英語で難しいタイトルにしようとか言ってましたよね。
黒:英語のタイトルね(笑)シャープなやつ、とか。
伴:ああ、ベーシックを録った時点でクールなアルバムになるんじゃないか、って思って、ジャケットとかも、黒岡の絵とかじゃなくて、シンプルにデザイン化されたようなのがいいんじゃないか、って言ってて。それと相まって、タイトルもクールな方がいいんじゃないか、って。
●なるほど。
伴:ホライズンらしくない感じの。覚えてないですけどね。
黒:メモとってないかな……。(携帯のメモを見ながら)あ、僕が『やさしい海水浴』って言ったんですけど、ボツになりましたね。……あと、「山下四銃士はりぼんを結んだ。」って書いてある。
『オクリモノ』のポリリズム
伴:これはドラムがすごいイレギュラーな感じで入ってるんですけど、それも録音してる最中に思いついたの?
尊:いやいや、これはライブの時にやってて、その時のアレンジが結構面白かったからアルバムに入れよう、ってなったんじゃない?
伴:あ、そうなんだ。
尊:アルバムに入れるか迷ってた時に、あれ面白かったな、って録ってみよう、ってなった。
伴:ドラムのアレンジ面白いからか。
黒:あれでもすごいよね。伴瀬と一尊が4で進んでたら、倉林は6とかで進んでて、全然違うんですよ。
伴:最小公倍数だ。
黒:最後にぴたっとあったところで、展開する。
伴:それを松石ゲルさん家で録音してたら、ゲルさんが、このポリズムは、って言って。あ、ポリズムって言うんだ、って。
●ポリリズムですね。
尊:ポリリズムだよ。
黒:(よく知らないけど)僕も便乗して……ポリリズムじゃないの?
倉:Perfumeの曲でありますよ。
伴:ポリリズムであってます?どういう意味ですか?
尊:一曲の中に違うリズムが同居してるみたいなことだよ。
伴:……ポリリズム。を、やってみました。
尊:ゲルさんは疑ってたね。これ本当にポリリズムなの?って。
黒:ちょっとまって、その話初耳だよ。そんなの言ってた?
伴:言ってた、言ってた。
倉:でも、ライブでやったとき、最後ぴったりあわなくて、なんか適当にあわせてました。最後いつも緊張するんですけど、録音の時にはぴったしになったな、って。
ジュラ期への『オクリモノ』
黒:…歌詞的には!
伴:すっかり歌詞の事忘れてたね。
黒:ジュラ期。今思ったんですけど。
伴:今思ったのか。
黒:生物が海からあがってきて。
●「陸に登り」ってところですね。
黒:そう。ジュラ期っていうイメージです。タイトル、『ジュラ期へのオクリモノ』にしちゃう?
伴:それはないね。
ライダーキックの『点ブレイク』
●本当に古い、ホライズンより前の曲なんですね。
黒:そうなんですよ。ライダーキックの時の音源は、倉林が専門学校で得た知識をフル活用して録音したやつをミックスしてくれて、その時すごい感動しまして。
倉:その時レコーディングしてる時に、スタジオで寝ていて、今いない田中恭平さんて人がドラム叩いてるんです。
伴:そうだっけ!(笑)
倉:俺何もしてない。
伴:寝ながら叩いてたんじゃないんだ。
黒:てっちゃんが寝てて、恭平がドラム叩いてて、俺がギター弾いてたのかな。
伴:黒岡がアコギ弾いて、俺がエレキ弾いてたな。
黒:僕まだアコギ弾いてたんだ。
伴:めちゃくちゃだった、この録音。当時僕ベースやってたんです。てっちゃん寝ちゃったもんだから、田中さんがドラムを叩いて、黒岡がアコギ弾いて、僕がエレキ弾いて。それが何故か入ってる。
『点ブレイク』とドラクエ4
黒:歌詞ですが、曲を作った頃ドラゴンクエストをやっていて。僕は一回もドラクエやったことなかったんですけど、伴瀬はすごくやってて。伴瀬が4章?トルネコのところ。
伴:3章。ドラクエ4の。
●3章?
伴:ドラクエ4って第5章までわかれてて。それぞれ面白いんだけど、3章だけつまんないと思ってて。それを黒岡にやってもらった(笑)。
●(笑)
黒:それまでずっと見てるだけだったんですけど、第3章だけ、なんかをいっぱいあつめなきゃいけないんだよね?
伴:武器をいっぱい集めないといけなくて。武器商人の話だから。
●単純作業みたいな。
伴:そう、結構単純作業が多くて。ちょっと萎えちゃうんです。
黒:で、一生懸命集めて、4章に持っていくんですけど、第5章で、第1章からの人を全員集めて最後冒険に出るみたいなところがあるんですけど、第1章のライアンってやつがどうしても見つからなくてですね。第1章のライアンどこにおったんや、って。伴瀬が全然見つからない、っていうから、僕が地図をちゃんと描いて。ドラゴンクエストの地図は結構地球に似ていまして、ちょうどサントハイムってところにライアンがいるんですけど、それがちょうどパリの位置にあったんですよ。そこに僕が一生懸命探しに行くっていう。
●それでパリのサントハイムなんですね。
伴:バトランドっていうのは、元々ライアンが勤めてた城ですね。王宮の戦士だから。
●ドラクエ4をやった人はわかるってことですね。
伴:単語はわかるでしょうね。この流れはわかんないだろうけど。
●私は3までしかやってないんですよね。
伴:3まではやったんだ。
黒:それで5章まで行くんですけど、彼はそこでデータを消しちゃったんですよ。消えちゃったんだよね?だから、僕が同じところまで進めて、どうぞ、って渡したんだよね。
伴:ちゃんと同じところまで持ってってくれた。……曲の説明じゃなくなっちゃったね。
『オリンピックの前日』新曲『大まかな春』
黒:(また一尊と曲を作りたい、という流れから)今度一尊と、『大まかな春』って曲を作ります。すぐ作ります。『大まかな春』の歌詞、一尊にメールするから。
●こういう感じで新しい曲ってできるんですか?
伴:そうですね。
黒:件名だけ書いておこう。
伴:モチベーションがあるからね。
●こうやってメールして、返ってきたのが曲になる?
伴:ってこともありますね。
(※この後本当にインタビュー中に作詞されていて、その間の黒岡氏の発言数がぐっと落ちていました。)